この部屋から東京タワーは永遠に見えない
今回の投稿は、麻布競馬場さんの「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」です。
こちらの作品は、ショートストーリー集で、
現代の東京を生きる人々の苦悩や心の弱い部分が、いろんな人の目線で書かれています。
過度なプライド、薄っぺらい人間関係、嫉妬や見下し、現代の人々が抱える醜い部分が、とてもテンポよく軽やかに書かれており、共感し、時に心をえぐられるような気持ちになりました。
自分自身の生き方を考えさせられるような1冊であると思いました。
皆さんもぜひ読んでみていただきたいです。
では、内容を詳しく話していきたいと思います。
では、本の内容をお話ししていきます!
本の概要
皆さんは、現代社会における人間関係で悩んだことはありませんでしょうか。
SNSの誕生により、対面でなくても人々との交流が容易に可能になったことによるものなのか、表面上の付き合いが増えて、お互いがマウントを取り合い、自分を大きく見せ、他人を見下すような行動、言動が増えているような気がします。
私自身も、そんなスッキリしない違和感を抱えながら人間関係を築いているような気がします。
そんな現代の人々の苦悩がこの本には描かれており、共感し、考えさせられました。
この本はショートストーリー集になっており、いろんな人の目線で物語が書かれているのですが、個人的にどのストーリーにも共通点があるなと感じましたので、それについて詳しくお話しできたらなと思います。
感想
私がこの本を読んで伝えたいことは3つあります。
それは
- 人は比較することで自分の価値を見出す
- 嫉妬と見下し
- 比較するべきは過去の自分自身
です。
それぞれ詳しく話していきたいと思います。
人は比較することで自分の価値を見出す
「自分は価値のある存在である」、人はそう思いたい生き物だと思います。
周りからすごいと認められると嬉しいですよね。承認欲求や自尊心が満たされるのです。
そのためにも価値ある人でありたいと思うわけですが、
そもそも価値とはどのようにして付いてくるのでしょうか。
それは、比較することで付いてくるのではないかと思います。
要は、周りの人と自分を比較することで、自分の価値を測れるのだと思います。
そうして人は、常に自分と周りを比較して生きている気がします。
私はこの、「人と比較すること」はメリット以上にデメリットが多いのではないかと感じています。
周りの人と自分を比較することで、自分の価値を測れる
嫉妬と見下し
例えば、自分より優れた人がいたとして、その人に対してどのような感情を抱くでしょうか。
もちろんリスペクトする気持ちもあるかとは思いますが、
嫉妬心も少なからず湧いてくるのではないでしょうか。
自分はこれだけ頑張っているのになぜあの人の方が優れているんだ、
こんな気持ちが湧いてきたことありませんでしょうか。
反対に、自分より優れていない人には、どのような感情を抱くでしょうか。
なぜこんなこともできないのかと、マウントを取ってしまうこと、ありませんでしょうか。
嫉妬心をバネに成長したり、見下さず思いやりを持って接することができればいいのですが、
なかなかそのようにできるものではありません。
なんせ人は、「自分は価値のある存在である」そう思いたい生き物ですので、
優れている人を見ては嫉妬し、優遇されていると嫌味を言ってみたり、優れていないと思った相手を見下しバカにして、自分の価値を保とうとします。
しかしこれでは、どんどん心が悪い方向へ行ってしまうような気がします。
言い訳を繰り返し、見下されるのが怖くて、行動できなくなってしまいます。
これでは自分自身、何一つ成長できませんよね。
大した行動もしてもいないのに、自分の都合のいいように解釈し、自分を正当化させながら、自分は価値があるんだと、そう思いたいだけではないのかと思います。
比較するべきは過去の自分自身
では、どうすれば良いのか。
それは、比較する対象を過去の自分にすればいいのだと思います。
他人のことをコントロールすることは難しいですが、自分の行動は自分で決めることができます。
であれば、自分の意思で行動してきた過去の自分と、今の自分を比較することで、自分の価値を見出せばいいのではないでしょうか。
昨日の自分より、今日の自分の価値が上がっていれば、それで十分だと思うのです。
それをコツコツ続けていけばいいと思うのです。
他人と比較する必要はないと思うのです。
また、それこそが自分の成長に直結します。
コントロールできない他人と比較するよりも、過去の自分と比較することで、自分が何をするべきか、どう行動するべきか、見えてくるのではないでしょうか。
私自身も、過去の自分と比較する前に、周りの人と比較をしていることが多い気がします。
そこを変えることができれば、余計なところで心をすり減らす必要もなくなるのではないかと思いました。
比較する対象を過去の自分にしよう!
まとめ
以上が、「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」を読んだ感想でした。
「自分は価値のある存在である」そう思いたいために人は、他人と比較して一喜一憂しているように思います。それが嫉妬や見下しにつながり、表面上の人間関係が出来上がってしまうのではないでしょうか。そんなことを改めて気づかせてくれるような1冊であったと思います。
皆さんもぜひ読んでいただき、自分をもう一度見つめ直していただければと思います。
この度は最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!
今後も投稿を続けていく予定ですので、ぜひ読んでいただけると幸いです!
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